京都市 四条烏丸徒歩3分の司法書士・行政書士事務所です。
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  1. コラム
 

コラム

株式会社設立・相続などの登記や建設業許可・産業廃棄物収集運搬業・古物商などの許認可に関するお役立ち知識をご紹介します。


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相続・遺言
2026/03/16

はじめに

遺言のご相談をいただく中で、

「遺留分に反する遺言を書いたら無効になるのですか?」

という質問を受けることがあります。

例えば、

・長男にすべての財産を相続させたい

・特定の子どもに多く財産を残したい

・内縁の配偶者に財産を残したい

といった希望がある場合です。

このようなケースでは、他の相続人の遺留分との関係が問題になることがあります。

では、遺留分に反する遺言を書いた場合、その遺言は無効になるのでしょうか。

結論から言うと、遺留分に反する遺言であっても無効にはなりません。


遺留分とは何か

遺留分とは、一定の相続人に保障された最低限の取り分のことです。

遺留分が認められている相続人は、

・配偶者

・子

・直系尊属

です。

兄弟姉妹には遺留分はありません。

遺言によって特定の人に多く財産が残された場合でも、遺留分を持つ相続人は遺留分侵害額請求をすることができます。


遺留分に反する遺言でも無効にはならない

ここで重要なのは、遺留分に反する遺言でも無効にはならないという点です。

例えば、

「すべての財産を長男に相続させる」

という遺言があった場合でも、その遺言自体は有効です。

相続手続きも、基本的には遺言の内容に従って進めることになります。

ただし、他の相続人が遺留分侵害額請求を行った場合には、

遺留分に相当する金銭を支払う必要が生じる可能性があります。


遺留分は請求があって初めて問題になる

遺留分には、もう一つ重要な特徴があります。

それは、請求があって初めて問題になるという点です。

遺留分は自動的に発生するものではなく、相続人が遺留分侵害額請求を行うことで初めて具体的な問題になります。

そのため、

・相続人が納得している場合

・遺留分を請求しない場合

などでは、遺留分の問題が表面化しないこともあります。


遺留分を踏まえて遺言を設計することが大切

遺留分に反する遺言を書くこと自体は可能です。

しかし、その場合には遺留分を請求される可能性を考えておく必要があります。

例えば、

・遺留分を支払えるだけの資金を確保しておく

・財産の内容を整理しておく

・相続人の理解を得ておく

といった対応が考えられます。

遺言を書く際には、単に「誰に何を残すか」だけでなく、遺留分との関係も含めて設計することが重要になります。


まとめ

遺留分に反する遺言であっても、その遺言が無効になるわけではありません。

ただし、遺留分を持つ相続人が遺留分侵害額請求を行う可能性があります。

そのため、遺留分に反する内容の遺言を書く場合には、遺留分を請求されることを前提として対応を考えておくことが大切です。

当事務所では、遺言作成や相続対策についてのご相談も承っております。

どうぞお気軽にご相談ください。


相続・遺言
2026/03/12

① 遺言があるか確認する

まず最初に確認すべきことは、遺言があるかどうかです。

遺言がある場合には、原則として遺言の内容に従って相続手続きを進めることになります。

遺言には主に次のような種類があります。

・公正証書遺言

・自筆証書遺言

自筆証書遺言の場合には、家庭裁判所での検認手続きが必要になることがあります。

また、公正証書遺言の場合は公証役場で、法務局の遺言書保管制度を利用している場合は法務局で、

相続人が被相続人が遺言を作成しているかどうかを調査することができます。

そのため、相続手続きを始める際には、まず遺言が存在するかどうかを確認することが重要です。


② 相続人を確認する

次に行うのが、相続人の確認(相続人調査)です。

相続では、誰が相続人になるのかを正確に確定する必要があります。

そのため、

・被相続人の出生から死亡までの戸籍

・相続人の戸籍

などを収集します。

戸籍を調べることで、思わぬ相続人が見つかることもあります。

例えば

・前婚の子ども

・認知された子ども

などです。

そのため、この作業は非常に重要になります。


③ 相続財産を調査する

次に、亡くなった方の財産を調べます。

主な相続財産には次のようなものがあります。

・預貯金

・不動産

・株式

・投資信託

・保険金

・借金

財産だけでなく、負債(借金)も相続の対象になります。

そのため、財産の内容を正確に把握することが重要です。


④ 遺産分割の話し合いを行う

遺言がない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行います。

この話し合いによって、誰がどの財産を相続するのかを決めます。

話し合いがまとまった場合には、遺産分割協議書を作成します。

この書類は

・不動産の名義変更

・預金の解約

などの手続きで必要になります。


⑤ 各種相続手続きを行う

遺産分割が決まったら、

・不動産の相続登記

・銀行口座の解約

・株式の名義変更

などの手続きを行います。

なお、不動産の相続登記は2024年から義務化されています。

原則として、相続を知った日から3年以内に登記をする必要があります。


⑥ 相続税の申告(必要な場合)

相続財産が一定額を超える場合には、相続税の申告が必要になります。

相続税の申告期限は死亡から10か月以内です。

すべての相続で相続税が発生するわけではありませんが、期限があるため注意が必要です。


まとめ

相続手続きは次のような流れで進めるのが一般的です。

1 遺言の有無の確認

2 相続人の調査

3 相続財産の調査

4 遺産分割協議

5 各種相続手続き

6 相続税の申告(必要な場合)

相続手続きは内容によっては複雑になることもあります。

特に

・不動産がある場合

・相続人が多い場合

・相続人同士の関係が複雑な場合

などは、専門家に相談することでスムーズに進められることがあります。

当事務所では、相続手続きや相続登記についてのご相談も承っております。

どうぞお気軽にご相談ください。


相続・遺言
2026/03/11

はじめに

相続のご相談を受けていると、

「法律で決まっている割合どおりに相続しないといけないのでしょうか?」

という質問をいただくことがあります。

ここでいう割合とは、いわゆる法定相続分のことです。

例えば、配偶者と子どもが相続人の場合、

・配偶者 1/2

・子ども 1/2

といった割合が法律で定められています。

しかし、この割合については多くの方が誤解しています。

結論から言うと、

法定相続分や遺留分どおりに相続しなければならないわけではありません。


法定相続分とは何か

法定相続分とは、遺言がない場合の目安となる相続割合です。

法律は「この割合で分けなければならない」と義務付けているわけではなく、相続人同士の話し合いがまとまらない場合の基準として定められています。

そのため、相続人全員の合意があれば、法定相続分とは異なる分け方をすることも可能です。


相続人の合意があれば自由に分けられる

相続では、遺言がない場合、相続人全員の合意による遺産分割協議によって財産の分け方を決めます。

この話し合いがまとまれば、

・法定相続分より多く相続する人がいてもよい

・少なく相続する人がいてもよい

ということになります。

極端な例ですが、

相続人の一人が財産を全く受け取らないという遺産分割も可能です。


誰かが相続しないという選択もある

例えば、

・親の面倒を見ていた兄に多く相続させたい

・自宅は同居している子どもに相続させたい

・自分は財産を受け取らなくてもよい

というようなケースです。

このような場合、相続人全員が納得していれば、

ある相続人の取り分を0にする遺産分割も法律上可能です。

つまり、法律が「必ず相続しなければならない」と義務付けしているわけではないのです。


遺留分との違い

次に注意が必要なのが遺留分です。

遺留分とは、一定の相続人に保障された最低限の取り分のことです。

この制度は、遺言によって特定の人に多く財産が残された場合などに、他の相続人が最低限の取り分を請求できるようにするための制度です。

ただし、ここでも重要な点があります。

遺留分は

必ず受け取らなければならない義務ではありません。

遺留分は、あくまで請求することができる権利です。

そのため、

・請求しない

・家族の話し合いで納得する

という選択も可能です。


まとめ

法定相続分は、必ず守らなければならない割合ではありません。

相続人全員の合意があれば、

・法定相続分と違う分け方

・特定の人に多く相続させる

・ある人の取り分を0にする

といった遺産分割も可能です。

また、遺留分も必ず受け取らなければならないものではなく、請求できる権利にすぎません。

相続は法律だけで決まるものではなく、

家族の事情によってさまざまな形があります。

当事務所では、相続や遺産分割についてのご相談も承っております。

どうぞお気軽にご相談ください。


相続・遺言
2026/03/09

はじめに

「遺言はまだ早いと思うのですが…」

遺言のご相談を受けていると、このようなお話をよくお聞きします。

確かに、遺言というと「高齢になってから書くもの」というイメージを持たれている方も多いと思います。

しかし実務の現場では、年齢よりも家族状況や財産の内容によって遺言の必要性が大きく変わります。

今回は、どのような方が遺言を書いた方がよいのか、逆にまだ急がなくてもよいケースについて解説します。


遺言を書いた方がいい人

まず、遺言を作成しておくことをおすすめするケースです。

① 不動産がある方

相続で最も問題になりやすい財産は不動産です。現金は分けることができますが、不動産は簡単に分割することができません。自宅や土地などがある場合は、誰が相続するのかを決めておかないと話し合いが難しくなることがあります。


② 相続人同士の関係が複雑な方

子供同士が仲が悪い、相続人の中に連絡を取れない人がいる、再婚していて前妻、前夫の子どもがいる場合などは、遺産分割協議がまとまりにくくなることがあります。遺言を残しておくことでトラブルを防ぐことにつながります。


③ 特定の人に財産を多く残したい方

介護をしてくれている子どもや同居している家族など、特定の人に多く財産を残したい場合には遺言が重要になります。


④ 相続人の中に認知症の方がいる可能性がある場合

遺言がない場合、相続人全員の合意による遺産分割協議が必要です。相続人の中に認知症の方がいると遺産分割協議ができず、成年後見が必要になります。

 配偶者がいると被相続人が死亡した時点で配偶者が認知症になっているおそれがあります。


まだ急がなくてもよいケース

一方で、すぐに遺言を作成しなければならないとは限らないケースもあります。

まずは、不動産を売却や購入したり、子供と同居するために子供名義で自宅を建て直すことを検討している場合など、財産内容が大きく変わる可能性がある場合です。

ただし、高齢になったら自宅を売却して施設に入居することを考えている場合は、売却を前提として遺言を書いたほうがよいでしょう。


また、これまで説明してきた「遺言を書いた方がよいケース」に当てはまらない場合です。

具体的には、

・財産が預貯金のみ(上記①でない)

かつ

・相続人の関係が良好(上記②でない)

かつ

・遺言を残す人(被相続人)が特に希望がない(上記③でない)

かつ

・相続人が子供だけ(上記④でない)

かつ

・財産の分け方について家族の意見が一致している

といった場合です。

このような条件がそろっている場合には、遺言を急いで作成しなくても大きな問題が生じない可能性があります。

このように「遺言がなくても大きな問題が起きにくいケース」は、実際にはかなり限られています。


まとめ

遺言はすべての方に必ず必要というわけではありません。

しかし、不動産がある場合や家族関係が複雑な場合、特定の人に多く財産を残したい場合などは、遺言を作成しておくことで将来のトラブルを防ぐことにつながります。

遺言はご自身の意思を残すための大切な手段です。

将来ご家族が困らないためにも、遺言について一度考えてみてはいかがでしょうか。

当事務所では遺言作成のご相談も承っております。どうぞお気軽にご相談ください。


相続・遺言
2026/03/06

はじめに

相続のご相談を受けていると、

「家族仲は良いので、相続でもめることはないと思います」

というお話をよくお聞きします。

確かに、家族関係が良好であれば、相続の話し合いも円満に進むように思えます。

しかし実務では、家族関係とは別の理由で遺産分割ができなくなるケースがあります。

その代表的な例が、相続人の認知症です。

今回は、相続と認知症の関係、そして遺言の重要性について解説します。


遺産分割は相続人全員の合意が必要

人が亡くなると、財産はいったん相続人全員の共有状態になります。

そのため

・預金の解約

・不動産の名義変更

・財産の分配

を行うためには、原則として相続人全員の合意による遺産分割協議が必要になります。

つまり、相続人の中に一人でも意思表示ができない人がいると、遺産分割協議を進めることができません。

 

相続人に認知症の方がいる場合

例えば、次のような家族を考えてみます。

・夫

・妻

・長男

・次男

夫が亡くなった時に、妻が認知症になっていた場合です。

妻に判断能力がないと判断されると、妻自身は遺産分割協議を行うことができません。

この場合、家庭裁判所に申し立てて「成年後見人」を選任してもらう必要があります。


成年後見人が選ばれるとどうなるか

成年後見人が選ばれると、その人が認知症の方の代理人として遺産分割協議に参加します。

しかし成年後見人には、本人の利益を守る義務があります。

そのため、基本的には法定相続分を確保する内容を前提に判断することになります。


家族で決めた分け方ができないこともある

例えば、次のような財産があったとします。

預金 4,000万円

不動産(評価額)3,000万円

家族の話し合いとして

・妻 預金1,000万円

・長男 不動産3,000万円

・次男 預金3,000万円

という分け方を考えていたとします。

家族全員が納得していれば、本来このような遺産分割も可能です。

しかし妻が認知症で成年後見人が選ばれた場合、事情は変わります。

この家族の法定相続分は

妻 1/2

長男 1/4

次男 1/4

です。

総財産7,000万円のうち、妻の法定相続分は3,500万円になります。

しかし家族の話し合いでは、妻の取り分は1,000万円です。

この内容では成年後見人は本人の利益を守る立場から同意することが難しくなります。

つまり、家族全員が納得していても、その分け方ができなくなる可能性があるのです。


この問題を防ぐ方法

この問題を防ぐためには、財産を残される方が元気なうちに遺言を書いておくことが重要です。

遺言があれば、基本的には遺言の内容に従って相続が行われます。

例えば

・妻 預金1,000万円

・長男 不動産3,000万円

・次男 預金3,000万円

という内容を遺言として残しておけば、家族で考えていた分け方を実現することができます。


遺言は「争い防止」だけではない

遺言というと「相続争いを防ぐためのもの」と思われがちです。

しかし実際には、認知症など将来のリスクに備えるという意味でも非常に重要な役割があります。

元気なうちに準備をしておくことで、ご家族が困る事態を防ぐことができます。


まとめ

相続では、家族仲が良いだけでは解決できない問題があります。

相続人の中に認知症の方がいる場合

・成年後見人が必要になる

・法定相続分が基準になる

・家族の希望どおりの分割ができない

ということが起こる可能性があります。

そのような事態を防ぐためにも、財産を残される方が元気なうちに遺言を作成しておくことが重要です。

将来ご家族が困らないための準備として、遺言について一度考えてみてはいかがでしょうか。

当事務所では、遺言作成のご相談も承っております。

どうぞお気軽にご相談ください。


相続・遺言
2026/03/05

【はじめに】

近年、遺言に関する制度としてよく質問をいただくのが「法務局で遺言を預かってくれる制度があると聞いたのですが?」というものです。

これは正式には「自筆証書遺言書保管制度」と呼ばれる制度です。

自筆証書遺言の弱点を補うために2020年から始まった制度ですが、「公正証書遺言とどう違うのか」「どちらを選ぶべきか」で迷われる方も多くいらっしゃいます。

今回はこの制度の概要と、公正証書遺言との違いについて解説します。


【自筆証書遺言書保管制度とは】

自筆証書遺言書保管制度とは、自分で書いた遺言書を法務局で保管してもらう制度です。

遺言者本人が法務局へ行き、遺言書を提出することで保管されます。

この制度の大きな目的は、自筆証書遺言に多かった次のような問題を防ぐことです。

・遺言書が見つからない

・相続人が遺言書を隠してしまう

・改ざんされる

法務局が保管することで、こうしたリスクを減らすことができます。


【制度のメリット】

① 紛失や改ざんの防止

遺言書は法務局で保管されるため、紛失や隠匿のリスクが低くなります。

② 検認が不要

通常、自筆証書遺言は家庭裁判所で「検認」という手続きが必要ですが、法務局に保管された遺言は家庭裁判所の検認が不要になります。

③ 費用が比較的安い

保管手数料は3,900円程度とされており、費用面では利用しやすい制度です。


【ただし注意点もあります】

この制度には誤解されやすい点があります。

それは、法務局に保管されているからといって、遺言内容そのものが適切であることまで保証されるわけではないという点です。

例えば、遺言の内容によっては相続の場面でトラブルになる可能性が残ることもあります。


【公正証書遺言との違い】

公正証書遺言は、公証人が遺言内容を確認し、法律に基づいて作成する遺言です。

特徴は次のとおりです。

・公証人が内容を確認する

・法律的に確実な形式で作成される

・原本が公証役場で保管される

・検認が不要

つまり、内容と形式の両方がチェックされるという点が大きな特徴です。


【両者の違いを整理すると】

自筆証書遺言書保管制度

・自分で遺言を書く

・法務局が保管する

公正証書遺言

・公証人が作成する

・法律的に整った遺言になる

・原本が確実に保管される

大きな違いは内容の安全性です。


【当事務所の考え方】

当事務所では、遺言のご相談を受けた場合、基本的には公正証書遺言をおすすめしています。

理由は、遺言は「書くこと」ではなく「確実に実現されること」が重要だからです。

相続実務の現場では、内容が曖昧な遺言や相続人の争いを招く遺言を数多く見てきました。

そのため、内容のチェックがされ、確実に保管され、実務上のトラブルが少ないという点から、公正証書遺言をおすすめすることが多くなっています。


【まとめ】

法務局の自筆証書遺言書保管制度は、自筆証書遺言の紛失リスクを減らすという意味では有効な制度です。

しかし遺言内容そのものの適切さまでは保証されない点には注意が必要です。

遺言は、ご自身の想いを実現するための大切な準備です。

将来ご家族が困らないようにするためにも、遺言を検討される際は専門家へ相談されることをおすすめします。

当事務所では、遺言作成のご相談も承っております。どうぞお気軽にご相談ください。


相続・遺言
2026/03/04

はじめに

遺言を作ろうと考えたとき、多くの方が迷われるのが「公正証書遺言と自筆証書遺言のどちらを選ぶべきか」という点です。

どちらも法律上認められた正式な遺言ですが、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。

本記事では、それぞれの違いを整理しながら、どのような考え方で選ぶべきかを解説します。

 

自筆証書遺言とは

自筆証書遺言は、遺言者が自分で書いて作成する遺言です。

紙とペンがあれば作成できるため、最も手軽な方法といえます。

 

【メリット】

・費用がほとんどかからない

・自分だけで作成できる

・思い立ったときにすぐ書ける

 

【注意点】

法律で定められた形式を守らなければ無効になる可能性があります。

また、遺言が見つからないリスクもあります。


自筆証書遺言で起こりやすい問題

実務では次のようなケースが見られます。

 

・遺言を書いたことを家族が知らない

・保管場所がわからない

・亡くなった後に発見されない

・相続人にとって不利な遺言が隠される

 

遺言は存在していても、見つからなければ意味がありません。


公正証書遺言とは

公正証書遺言は、公証人が作成する遺言です。

公証役場で遺言者の意思を確認し、法律に基づいた形式で作成されます。

 

【メリット】

・法律的に確実な形式で作成される

・原本が公証役場で保管される

・家庭裁判所の検認が不要

・紛失の心配がない


費用だけで判断するべきではない理由

公正証書遺言は費用がかかりますが、遺言は人生の中でも重要な書類です。

費用だけで判断するのではなく、確実に実現されるかという観点が重要です。


当事務所の考え方

当事務所では、公正証書遺言をおすすめすることが多くなっています。

理由は、遺言が確実に残るからです。

 

自筆証書遺言では

・見つからない

・形式不備で使えない

・真偽が争われる

 

といった問題が起こることがあります。

 

遺言は書くことが目的ではなく、確実に実現されることが目的です。

そのため紛失や発見されないリスクを避ける意味でも、公正証書遺言をおすすめしています。


まとめ

自筆証書遺言は手軽ですが、形式不備や紛失などのリスクがあります。

一方、公正証書遺言は費用はかかりますが、確実に残るという安心があります。

 

将来ご家族が困らないようにするためにも、遺言をお考えの際は専門家へご相談ください。

当事務所では、遺言作成のご相談を承っております。


相続・遺言
2026/02/27

初めに

「遺言書を作っておけば、相続でもう揉めることはありませんよね?」

相続のご相談を受けていると、このようなお言葉をよく耳にします。

 

確かに、遺言書は相続トラブルを予防するための非常に有効な手段です。

しかし実務の現場では、遺言書が存在しているにもかかわらず、相続人同士の争いに発展してしまうケースも決して少なくありません。

 

今回は、司法書士として多くの相続手続きを見てきた立場から、遺言に関する「よくある落とし穴」と、本当に大切な考え方についてお話しします。


遺言があれば安心、は半分正しく半分誤解

遺言には法律上とても強い効力があります。

 

・誰にどの財産を渡すか指定できる

・遺産分割協議を省略できる

・手続きが円滑に進みやすい

 

しかし相続は法律問題であると同時に、感情の問題でもあります。

法律的に正しくても、感情的に納得できない内容であれば紛争は起こり得ます。


落とし穴① 遺留分を考慮していない遺言

一定の相続人には「遺留分」という最低限の取り分が保障されています。

 

特定の相続人に財産を集中させる内容の場合、遺留分侵害額請求が行われ、

相続人間の関係悪化や手続きの長期化につながることがあります。

 

「書ける遺言」と「円満に実現できる遺言」は必ずしも一致しません。


落とし穴② 不動産の扱いを軽く考えている

相続トラブルの多くは不動産が関係しています。

 

「自宅は長男に相続させる」という遺言でも、

公平性・評価額・代償金の問題が生じることがあります。

 

不動産は分割しにくい財産であり、事前設計が不可欠です。


落とし穴③ 付言事項がない遺言

理由や想いが記載されていない場合、相続人に疑問や不信感が生じることがあります。

 

付言事項には法的効力はありませんが、

本人の想いを伝えることで相続人の受け止め方は大きく変わります。

 

遺言は人生の最後のメッセージでもあります。


落とし穴④ 形式不備による無効

自筆証書遺言では日付・押印・訂正方法などの不備により無効となる場合があります。

 

せっかくの想いが実現できなくなるリスクがあるため、注意が必要です。


落とし穴⑤ 遺言作成後の放置

家族構成や財産内容は時間とともに変化します。

 

遺言は一度作って終わりではなく、

人生とともに見直していくことが重要です。


谷口龍一事務所が考える「本当に意味のある遺言」

当事務所では、遺言を単なる書類作成業務として扱っていません。

 

・何を守りたいのか

・どのような未来を残したいのか

・実務上スムーズに実現できるか

 

という本質を重視し、揉めない設計を意識した遺言作成を行っています。

まとめ

遺言書は相続トラブルを防ぐ強力な手段ですが、万能ではありません。

 

本当に重要なのは、遺言を書くことではなく、揉めない形を設計することです。

 

将来ご家族が安心して相続を迎えられるよう、

遺言についてお考えの際はお気軽に谷口龍一事務所へご相談ください。


成年後見
2026/02/17

ここまで、成年後見に関するさまざまな誤解について解説してきました。

・不動産は売却できない? → できます

・家族がいれば不要? → そうとは限りません

・相続対策になる? → 原則なりません

・自由にお金を使える? → 使えません

・途中でやめられる? → 原則やめられません

 

では結局のところ、

 

成年後見は、どのような人が利用すべき制度なのでしょうか。

 

今回は総まとめとして、「使うべき人」と「慎重に検討すべき人」の特徴を解説します。

 

成年後見を使うべき人

まずは、成年後見の利用が強く検討されるケースです。

 

■ 財産管理がすでに難しくなっている

・預貯金の管理ができない

・支払いの遅れが目立つ

・重要な書類の判断ができない

 

この段階では、本人を守る仕組みが必要です。

 

■ 悪質商法などの被害リスクがある

判断能力が低下すると、不利な契約を結んでしまう危険があります。

成年後見人には取消権があるため、被害の防止につながります。

 

■ 不動産の売却や施設入所など、重要な法律行為が必要

契約行為には法的な判断能力が求められます。

家族だけでは対応できない場面では、成年後見が大きな支えになります。

 

■ 身寄りがない、または家族の支援が難しい

継続的に支援する人がいない場合、制度の利用価値は高くなります。

成年後見は、生活基盤そのものを支える役割を持っています。

 

慎重に検討すべき人

一方で、成年後見が必ずしも最適とは言えないケースもあります。

ここを理解することが非常に重要です。

 

■ 相続対策を考えている

成年後見が始まると、

・生前贈与

・積極的な資産活用

・節税対策

などは原則として難しくなります。

 

成年後見は

「財産を守る制度」であり、「財産を動かす制度ではない」ためです。

 

■ 柔軟な資産管理をしたい

例えば、

・不動産の組み替え

・投資判断

・家族への資金援助

こうした柔軟な判断は制限される傾向があります。

 

■ 判断能力がまだ十分にある

この場合は、

・任意後見

・遺言

・家族信託

など、将来に備える方法を検討できる可能性があります。

早い段階で準備するほど、選択肢は広がります。


成年後見は万能ではありません

ここまでお読みいただいた方はお気づきかもしれませんが、

成年後見は「良い制度かどうか」で判断するものではありません。

 

重要なのは、その方の状況に合っているかどうかです。

制度にはそれぞれ役割があります。

だからこそ、「とりあえず成年後見」という考え方はおすすめできません。

 

実務で感じる、最も多い後悔

現場でよくお聞きするのは、次の言葉です。

「もっと早く相談しておけばよかった。」

判断能力が低下してからでは、選択肢が大きく限られてしまいます。

逆に言えば、元気なうちの相談こそが最大の備えなのです。

 

谷口事務所が大切にしていること

谷口事務所では、成年後見を単独の制度としてではなく、

・相続

・不動産

・財産管理

・将来設計

まで含めて総合的に検討しています。

 

大切なのは、成年後見を使うことではなく、

その方にとって最善の方法を選ぶことです。

 

ご本人にも、ご家族にも、長く安心が続く選択を。

そのためのお手伝いができれば幸いです。

 

シリーズを終えて

成年後見は、人生に長く関わる重要な制度です。

正しい知識を持つことで、将来の安心は大きく変わります。

 

本シリーズが、皆さまの判断の一助となれば幸いです。

 

成年後見についてお悩みのことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

成年後見
2026/02/17

「成年後見は、必要なくなれば途中でやめることができますか?」

 

このご質問も非常に多くいただきます。

介護や財産管理に不安が出てきたとき、「まずは後見を利用して、状況が落ち着いたら終了すればよい」と考える方もいらっしゃいます。

 

しかし結論から申し上げると、成年後見は原則として途中でやめることができません。

 

今回は、この重要なポイントについて解説します。

 

成年後見は“継続すること”を前提とした制度です

成年後見は、判断能力が回復する見込みがない場合に開始される制度です。

そのため、一度開始すると、本人が亡くなるまで続くケースがほとんどです。

「状況が変わったから終了する」ということは、基本的に想定されていません。

 

終了できるのは極めて限られた場合だけ

成年後見が終了する主なケースは次のとおりです。

・本人が亡くなったとき

・判断能力が回復したと家庭裁判所が認めたとき

 

ただし後者は、実務上ほとんど多くありません。

成年後見が開始される段階では、回復が難しいケースが多いためです。

 

つまり、成年後見は長期間にわたる制度であると理解しておくことが重要です。

 

後見人も途中で辞められない?

後見人自身も、「思ったより負担が大きい」という理由だけで簡単に辞任することはできません。

辞任するには家庭裁判所の許可が必要であり、正当な理由が求められます。

例えば:

・重い病気になった

・遠方へ転居することになった

といった事情です。

 

「忙しい」「大変」という理由だけでは認められないこともあります。

それほど責任の重い役割なのです。

 

なぜ簡単にやめられないのでしょうか

理由は明確です。

本人の生活と財産を継続的に守る必要があるからです。

もし自由にやめられる制度であれば、支援が途切れ、本人の生活が不安定になる恐れがあります。

成年後見は、一時的なサポートではなく、長期的な保護を目的とした制度なのです。

 

実務で多い「想像とのギャップ」

現場では、次のようなお声をお聞きすることがあります。

・こんなに長く続くとは思わなかった

・手続きの負担が想像以上だった

・もっと他の方法を検討すればよかった

多くの場合、制度の重みを十分に理解しないまま申立てが行われています。

 

だからこそ重要なのは、成年後見を“とりあえず”で使わないことです。

 

開始する前の検討が何より重要です

将来に備える方法は、成年後見だけではありません。

例えば、

・任意後見

・遺言

・家族信託 など

 

状況によっては、より柔軟な制度が適している場合もあります。

成年後見は非常に有用な制度ですが、万能ではありません。

だからこそ、開始前に慎重な検討が必要なのです。

 

谷口事務所が大切にしていること

谷口事務所では、

・本当に成年後見が必要か

・他に選択肢はないか

・長期的に無理のない体制か

といった点を丁寧に整理しながらご提案しています。

 

大切なのは制度を利用することではなく、

その方にとって最も安心できる備えを整えることです。

 

成年後見は人生に長く関わる制度です。

だからこそ、納得したうえで選択することが何より重要です。
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