「成年後見は、必要なくなれば途中でやめることができますか?」
このご質問も非常に多くいただきます。
介護や財産管理に不安が出てきたとき、「まずは後見を利用して、状況が落ち着いたら終了すればよい」と考える方もいらっしゃいます。
しかし結論から申し上げると、成年後見は原則として途中でやめることができません。
今回は、この重要なポイントについて解説します。
成年後見は“継続すること”を前提とした制度です
成年後見は、判断能力が回復する見込みがない場合に開始される制度です。
そのため、一度開始すると、本人が亡くなるまで続くケースがほとんどです。
「状況が変わったから終了する」ということは、基本的に想定されていません。
終了できるのは極めて限られた場合だけ
成年後見が終了する主なケースは次のとおりです。
・本人が亡くなったとき
・判断能力が回復したと家庭裁判所が認めたとき
ただし後者は、実務上ほとんど多くありません。
成年後見が開始される段階では、回復が難しいケースが多いためです。
つまり、成年後見は長期間にわたる制度であると理解しておくことが重要です。
後見人も途中で辞められない?
後見人自身も、「思ったより負担が大きい」という理由だけで簡単に辞任することはできません。
辞任するには家庭裁判所の許可が必要であり、正当な理由が求められます。
例えば:
・重い病気になった
・遠方へ転居することになった
といった事情です。
「忙しい」「大変」という理由だけでは認められないこともあります。
それほど責任の重い役割なのです。
なぜ簡単にやめられないのでしょうか
理由は明確です。
本人の生活と財産を継続的に守る必要があるからです。
もし自由にやめられる制度であれば、支援が途切れ、本人の生活が不安定になる恐れがあります。
成年後見は、一時的なサポートではなく、長期的な保護を目的とした制度なのです。
実務で多い「想像とのギャップ」
現場では、次のようなお声をお聞きすることがあります。
・こんなに長く続くとは思わなかった
・手続きの負担が想像以上だった
・もっと他の方法を検討すればよかった
多くの場合、制度の重みを十分に理解しないまま申立てが行われています。
だからこそ重要なのは、成年後見を“とりあえず”で使わないことです。
開始する前の検討が何より重要です
将来に備える方法は、成年後見だけではありません。
例えば、
・任意後見
・遺言
・家族信託 など
状況によっては、より柔軟な制度が適している場合もあります。
成年後見は非常に有用な制度ですが、万能ではありません。
だからこそ、開始前に慎重な検討が必要なのです。
谷口事務所が大切にしていること
谷口事務所では、
・本当に成年後見が必要か
・他に選択肢はないか
・長期的に無理のない体制か
といった点を丁寧に整理しながらご提案しています。
大切なのは制度を利用することではなく、
その方にとって最も安心できる備えを整えることです。
成年後見は人生に長く関わる制度です。
だからこそ、納得したうえで選択することが何より重要です。
【成年後見のよくある誤解⑦(総まとめ)】
成年後見を使うべき人・使うべきでない人
― 本当に大切なのは「制度」ではなく「選択」です ―
ここまで、成年後見に関するさまざまな誤解について解説してきました。・不動産は売却できない? → できます・家族
【成年後見のよくある誤解⑤】
後見人になれば親のお金を自由に使える?
― その考えは大きな誤解です ―
「後見人になれば、親の預金を引き出して必要なことに使えるのですよね?」 このようなご質問をいただくことがありま
【成年後見のよくある誤解④】
成年後見を使えば相続対策になる?
― 実は“真逆”になりやすい誤解です ―
「将来の相続対策も考えて、今のうちに成年後見を利用した方がよいでしょうか?」 このようなご相談をいただくことが
【成年後見のよくある誤解③】
後見人は家族が必ずなれる?
― 実はそうとは限りません ―
成年後見制度は、人生の重要な局面に関わる制度であるにもかかわらず、断片的な情報によって誤解されていることが少な
【成年後見のよくある誤解②】
「家族がいれば成年後見は不要」は本当?
成年後見制度は、人生の重要な局面に関わる制度であるにもかかわらず、断片的な情報によって誤解されていることが少な
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