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【成年後見のよくある誤解③】

後見人は家族が必ずなれる?

― 実はそうとは限りません ―

2026/02/13

成年後見制度は、人生の重要な局面に関わる制度であるにもかかわらず、断片的な情報によって誤解されていることが少なくありません。本シリーズでは、専門家の視点から成年後見の本質を整理し、後悔しない選択のための知識をお伝えします。

 

「長男だから自分が後見人になる」

「家族がいるのに、第三者が後見人になることはないですよね?」

 

このように考えておられる方は少なくありません。

 

しかし結論から申し上げると、

後見人に家族が選ばれるとは限りません。

 

■後見人は家庭裁判所が選任します

成年後見人を誰にするかは家庭裁判所が判断します。申立ての際に候補者を挙げることはできますが、必ずしもその方が選任されるわけではありません。

 

家庭裁判所は次のような事情を総合的に考慮します。

 

・本人の心身の状態

・財産の内容や金額

・家族関係

・利害対立の有無

・候補者の適格性

 

つまり、「家族だから当然に後見人になれる」わけではないのです。

 

■専門職が選任されるケース

近年は、司法書士・弁護士・社会福祉士などの専門職後見人が選任されるケースも多く見られます。

 

例えば次のような場合です。

 

・財産額が大きい

・不動産が複数ある

・家族間に意見の対立がある

・長期間にわたる財産管理が必要

 

家庭裁判所は、中立的な立場で職務を遂行できるかを重視します。

 

■家族後見にはメリットもあります

誤解していただきたくないのは、家族が後見人に選ばれることも十分にあるという点です。

 

家族後見の主なメリットは次のとおりです。

 

・本人のこれまでの生活をよく理解している

・柔軟な見守りができる

・心理的な距離が近い

 

家庭裁判所も、こうした事情は十分に考慮します。

 

ただし重要なのは、家族後見が「原則」ではないということです。

 

■「誰が後見人になるか」よりも大切なこと

ご家族の中には、第三者が財産を管理することに不安を感じる方もいらっしゃいます。

 

しかし成年後見制度の目的は、家族の希望をかなえることではなく、本人を守ることです。

 

後見人には家庭裁判所への定期報告が求められ、厳格な監督のもとで職務が行われます。その意味では、専門職後見は透明性の高い財産管理が期待できる仕組みとも言えるでしょう。

 

■実務で多い「想定していなかった」ケース

現場では、

 

・家族が後見人になる前提で考えていた

・突然、専門職が選任された

・心の準備ができていなかった

 

という声をお聞きすることがあります。

 

だからこそ、成年後見を検討する段階で「誰が後見人になる可能性があるのか」まで含めて理解しておくことが重要です。

 

■谷口事務所が大切にしていること

谷口事務所では、成年後見を単なる制度としてではなく、ご本人とご家族の将来を支える重要な仕組みとして捉えています。

 

・家族後見が望ましいケースか

・専門職が適しているケースか

・将来トラブルが生じる可能性はないか

 

といった点を丁寧に整理し、「制度ありき」ではないご提案を行っています。

 

大切なのは、「誰が後見人になるか」ではなく、

ご本人にとって最も安心できる体制を整えることです。

 

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